訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2011-05-08

配達

五男の家から長女の実家は車で10分足らず。
土曜日なので、長女の息子は家にいた。
もうじき8歳になる彼にとっては、年に一度の僕の訪問も慣れたもの。
この数日の間に、シーサケートの母親から連絡があったかもしれない。
長女の母親もちょうど家にいたが、父親は畑に行っているとのこと。
ずっとこの祖父母に育てられていて、母親と会うのは年に1,2回帰省するときだけである。
レンタカーで最短コースを走っても330キロメートル、おそらくバス路線を乗り継いでいたら一日がかりになるはずだ。
現金収入の得られる仕事を家もまばらな農村では見つけることができず、かといって効率の悪い家業の農業を継ぐ気にも、継がせる気にもならないのだろう。
同様に両親が町で働き、仕送りをもらって祖父母が孫を育てている家庭が非常に多い。
格差が生んだいびつな家族構成といえ、日本の核家族などよりも問題は大きいかもしれない。

今回はシーサケートで預かってきた母親からのプレゼントを渡すことがなによりのお土産なので、日本からのおもちゃや雑誌は無し。
もっとも、母親がショッピングセンターで買ったリュックやボールの代金は僕が払ってるんだけど、これは息子には黙っておくことにした。

荷物を詰めたダンボール箱には僕が書かせた長女からの手紙が入っていた。
息子はそれを取り出して、祖母に読んできかせる。
何と書いてあったのかはわからないけれど、あの照れ屋の男の子が嬉しそうに自分宛の手紙を音読しているのである。
祖母も微笑みながらそれを聞いている。
長い距離を走って届けた甲斐があったというもので、これが山の郵便配達の醍醐味なのだろう。