訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2006-11-27

御仏のお導き

民際交流センターの奨学生である次男を初めて訪ねて行ったときのことである。
コンケーンからサコンナコンへ向かう途中でマハサラカムの南地区へ立ち寄るという、大まわりのコースを行くことになる。

マハサラカムのボラブーに入ったころには、日が暮れて真っ暗になってしまった。
次男の家の住所はわかっていても、標識が見えないので自分が今どこにいるのかがわからない。
民家も少なくなってくるし、この後、サコンナコンまで200キロ以上走らなければならないので、ゆっくりもしていられない。
「さすがに暗くなっては探せないな。今年はあきらめようか」と、自分の無計画ぶりに気付き始めたときである。
一軒の民家で、表の縁台で涼んでいた男性を発見、とりあえずここで一度道を尋ねて、それで見つからなければあきらめようと決めて、車を停めた。

暗がりで顔もよく分からない状態だったが、「僕は日本から来ました。この住所を探しているのですけど」と伝えて、住所のメモを彼に渡した。
メモを読んでいる彼をじっと見つめる。
そのとき、彼の着ているTシャツにふと眼をやって驚いた。
胸にプリントされた青いマークは、イビツな丸の中で子供が跳ねてる姿!

「それ、プランのマーク! あなた、プランの人ですか?」

2005年の資料では、タイの人口は6200万人、プランのスタッフは94人だそうである。
道端でいきなり声をかけた相手がプランのスタッフである確率、0.00015パーセント! 66万分の1である。なんたる偶然か!

目的を詳しく話すと、彼が車に同乗して案内してくれることになった。
途中立ち寄った家で女性が一人、さらに加わる。
で、あっという間に次男宅に到着。
先程の女性は日本にいたことがあるということで、なんと通訳として同行してもらうために声をかけてくれたのだった。

タイは一般的にオトコどもが頼りない国なので、男性に道を尋ねるなんてことはほとんどしない(かえって迷うことになる)。
ましてや、走る車をわざわざ停めて道を訊くなんて、あとから考えると自分でも不思議なくらいだ。

キャッチフレーズ「アメージング・タイランド」も伊達じゃないな。
普段は無神論を標榜してハバカラないくせに、タイでの人との出会いについてだけは「仏の御意志がはたらいたのかも」とついつい思ってしまったり、、、。
してみると、いきあたりばったりに思えたボラブー訪問も、実は、御仏のお導きに従った確信的行動だったのかもしれない。