訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-12-10

240万円、売られるタイ人

12月9日朝日新聞の見出しである。
同紙の記者が人身売買組織に接触した記事がタイでの現地ルポとして掲載された。
言葉巧みに借金を負わせ、逃げられないようにした上で日本で違法に働かせるというもの。
もとより、売春を強要するなどの極悪組織犯罪なのであるが、当の被害者がなんともあっさり騙される。

実は、以前、長女が引っかかりそうになったことがある。
たまたま手紙でいきさつを書いてきたので、大慌てで返事を書いた。
どういった手口で、どう騙して、どんな目にあうか、タイのサイトで調べた情報をもとに詳しく知らせた上で、ギリギリで思いとどまらせたのだった。
こうした類の事件は少なくないのであるが、田舎者にはそもそも情報が届かない。
ネットで調べられる日本人の方が詳しかったりするわけだ。
長女は出稼ぎ先でどれほど稼げるかを嬉しそうに書いてきた。
何年で借金を返済し、残り何年でいくら残せる、って。
もちろん、そんなうまい話があるわけはなく、さんざん働かされたうえに借金だけが残るのが関の山なのだ。

日本ですら、しっかり啓蒙されているはずの振り込め詐欺や霊感商法でいまだに被害者が出続けている。
情報に疎いタイの田舎の純朴娘は、まだまだこれからも騙され続けるだろう。

タイのテレビでミュージックビデオを見ていたら、日本へ渡った娘がヤクザに脅され、ボロボロになって、最後は病院で息をひきとるっていう映像が流れていた。
娘を案じつつ帰りを待っている老母の姿も流れる。
こういったメディアを通じて、少しでも犯罪の実態が知られるなら、それもありなんだけど、ニホンは怖い、って言わなきゃならんのもつらいところではある。
そういえば、昔、日本人がヤクザに売り飛ばされる先といえば、もっぱらホンコンだったっけ。