訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-12-18

鉄道デビュー(その1)

初めてタイへ行ったとき、初めて鉄道にも乗った。
かなり昔のことになるが、忘れもしない、コラートから長女の住むコンケーンへ向かうときのことである。

町外れの駅までは歩いていって、少し待った後、定時にやってきた列車に乗り込んだ。
やはり旅は汽車に限る。汚い車両、大きな荷物を積み込む人びと、窓越しに食べ物を売る女の子、、、。
動き出した車窓から見える景色は、たちまち木々もまばらな荒野にかわる。
いやでも旅情は高まり、脳内ではいつの間にか小林旭が「北帰行」を歌い始めている。
(イサーンの赤い大地が俺を呼んでるぜ、、、)気分はもう、北へ向かう渡り鳥である。

しばらくして、向かいに座っていたおばさんが尋ねた。
「日本人? どこまで行くの?」
「コンケーンです」
「?? いや、コンケーンだったらあっちだよ」
列車の進行方向と逆を指差して、あきれたようにおばさんが言った。
「えーーーっ!!」

定時に出たと思っていたのは、遅れていた一本前の別の列車だった。
そう、ここは日本ではなくタイなのである。定時に出るほうがおかしいと思わなければ。

コラートを出た列車は、すぐ先で東行きと北行きに分岐することになっているが、乗り間違えた列車はコンケーンのある北ではなく、ウボンへ向かう東行きだったのだ。