鉄道デビュー(その2)
おばさんが車掌に事情を説明してくれたらしい。
「次の駅で降ろしてあげるから、私が迎えに来るまでここにいなさい」
その車掌Aはそう言ったとおり、次の駅に着くころに再びやってきて、ホームまで一緒に降りてくれた。
そして、そこにいた駅員Bにこう告げた。
「この日本人は乗り間違えたらしいので、次の列車でコラートまで送り返してやってくれ」
それを聞いた駅員Bは、これまた「列車が来たら教えてあげるから、この場所でじっと待っていなさい」
もはや迷子の子供扱いである。
そしてやってきた列車に乗せてくれるとき、今度は駅員Bがその列車の車掌Cに告げた。
「この日本人は列車を乗り間違えたので、コラートで乗り換えさせてやってくれ」
この車掌Cは自分の席の近くに連れて行ってくれ、コラートまで戻ると、またまた当然のように、コラートの駅員Dに言った。
「この日本人は乗り間違えていたので、次のコンケーン行きに乗せてやってくれ」
放っておくと同じ間違いを繰り返すとでも思ったのであろうか、ほとんど連行されるようにして、コンケーン行きの列車に乗せられたのであった。
まるでリレーのバトンになったような気分である。
もう鉄道旅行はコリゴリだと、そのときは思ったものである。
「次の駅で降ろしてあげるから、私が迎えに来るまでここにいなさい」
その車掌Aはそう言ったとおり、次の駅に着くころに再びやってきて、ホームまで一緒に降りてくれた。
そして、そこにいた駅員Bにこう告げた。
「この日本人は乗り間違えたらしいので、次の列車でコラートまで送り返してやってくれ」
それを聞いた駅員Bは、これまた「列車が来たら教えてあげるから、この場所でじっと待っていなさい」
もはや迷子の子供扱いである。
そしてやってきた列車に乗せてくれるとき、今度は駅員Bがその列車の車掌Cに告げた。
「この日本人は列車を乗り間違えたので、コラートで乗り換えさせてやってくれ」
この車掌Cは自分の席の近くに連れて行ってくれ、コラートまで戻ると、またまた当然のように、コラートの駅員Dに言った。
「この日本人は乗り間違えていたので、次のコンケーン行きに乗せてやってくれ」
放っておくと同じ間違いを繰り返すとでも思ったのであろうか、ほとんど連行されるようにして、コンケーン行きの列車に乗せられたのであった。
まるでリレーのバトンになったような気分である。
もう鉄道旅行はコリゴリだと、そのときは思ったものである。
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