訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2009-11-16

2001年雨中の旅

タイへ行きだした頃、自力での移動手段は、もっぱらバイクだった。
小回りが利いて、引き返すのも簡単、なにしろレンタル料が安いし、免許もいらない(少なくとも借りるときに提示を要求されない)。
ホンダのスーパー・カブにロングシートを乗せたような仕様でも排気量が100ccあるので、片道50キロ程度なら楽勝、街中でも駐車スペースを気にしないでよいので、初めての場所にはうってつけの乗り物なのである。
ただし、雨が降ったときは悲惨なことになる。

熱帯のスコールは突然やってきて、激しい雨を浴びせていく。
あっと思ったときには、プールにでも飛び込んだかのように、全身ずぶ濡れになってしまう。
これがほんの15分ほどで行ってしまうと、濃い青空が戻り、再び太陽が強烈に照りつけるのである。
そのまま走り始めると、たちまち服は乾いてしまう(ただし、靴は時間がかかる)。
ところが、しばらくすると次のスコールにぶつかったりする。
二度、三度と、走って乾燥、またずぶ濡れと繰り返していると、ヤワな日本人は簡単に体調を崩すことになる。

次女をシートの後ろに乗せて25キロほど離れた市街まで買い物に行ったときのこと。
何度も雨に降られながらも、無事に家まで帰り着き、やれやれと座り込んだ途端に異変が起きた。
あたまがボーッとして、鼻水が止まらないのである。
ようするに、風邪をひいてしまったわけ。
一緒にいた次女がなんともなかったのは、シートの前後で風の受け方が違ったからかもしれないが、不幸中の幸いであった。
母親に言われて、次女がさっそく風邪薬を手に入れてきてくれた。
近所で分けてもらったらしい。
有効成分が多くて日本の薬より良く効く、なんて噂を聞いていたタイの薬であるが、一服飲んだところで、母親からもう一つ飲んでおけと言われた。
病気が早く治るなら、副作用なんて気にしないというのが、この地のやりかたらしい。
用法・用量を守らずに怪しげな薬を飲むなんて、旅先で風邪で寝込むのと、どっちがアブナイんだか。

薬が効いたのか、それ以上悪化もせずに済んだものの、病気のリスクに直面したということで、以後は天候にも注意するようになった。
それから15年近く経つが、その間、ほとんどバイクは使っていない。
ただ、乾季に訪タイできるなら、一度オフロード・バイクで全ルートをまわってみたい、という気持ちは今でもある。