訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-09-18

十日目・三女の家

三女の家は思ったよりもひどいところだった。
サコンナコンの実家は、いまにも崩れそうではあったが、高床式で二部屋あった。
ここチョンブリの家は外の地面と同じ高さの一間で、部屋の隅を仕切って水浴び場兼トイレがあるだけ。
火を炊いての調理もこの部屋の床でしているらしい。
これと同じつくりの家が壁で仕切られただけで5軒ほどつながっている。
まるで、貸しガレージのシャッターの代わりにドアを付けただけといった感じである。
窓も無く、ドアを開け放しておく以外に風を入れるすべも無い。
床は打ちっぱなしのコンクリートで、あちこちに蟻の道ができている。

近所のおばさんの案内でタクシーを降りてから、この家を覗き込んだとき、出迎えてくれたのは三女の祖母だった。
三女はまだ仕事から帰っていないとのこと。
しかし、最も驚かされたのは、祖母に抱かれている赤ん坊の存在だった。
「この子、もしかして、、、」
「ジラパンの子だよ」
「え~~っ!」
そういった状況を一度も想像しなかったわけでは無いが、やはり直接目にするとショックは大きい。
もちろん、三人目の孫の誕生に喜びも大きいのではあるが、写真でしか知らないものの、僕は三女の夫をまだ認めてはいないのである。

すかさず室内を見渡してみるものの、壁にかけてある衣服とかにも男の住んでいる気配が無い。
そもそもベッドが一つっきりでは、嫁と赤ん坊と嫁の祖母の4人で一緒に寝るってわけにもいかんだろう。
(これはすでに離婚済みだな)
写真で見た、軟弱で頭も悪そうな夫が気に入ってなかったので、もしもすでに離婚してしまっているのなら、それはそれで喜ばしいことだと勝手に決め付ける。
が、聞いてみると、別に離婚したわけではなく、夫は今は軍隊に入っているのだそうな。
職業軍人とは絶対に思えないので、運悪く徴兵のくじにでも当たったのだろう、ざまを見ろなのである。
あの男が兵隊では国のためにはならんだろうが、少しでも鍛えられるのであれば、家族のためにはなるかもしれない。
ま、戦死を期待してはかわいそうなので、あとは兵役を終えるまでに多少なりとも男らしくなってくれることを願うだけである。
そもそも、こんな家に住まねばならないのも、やつの甲斐性の無さが原因なのだから。