訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2008-01-09

バイクのキー紛失事件

ランプーン県の次女を初めて訪ねていったときのこと。
道中、道を尋ねながらになると思ったから、チェンマイでは車ではなくバイクを借りた。
国道を南下すること約1時間、現在地確認のためにバイクを道端に寄せたときである。
なんと、バイクにささっているはずのキーが無い!

人間、パニックになるとまともな思考ができなくなる。
服のポケットというポケット、かばんのすべての仕切りに手を突っ込んで、キーを探しはじめたのである。
しかし、見つからない。
当たり前である。ここまで走ってきた以上、ポケットにキーをしまい込んでいるはずなど無い。
磨耗して緩くなっていたために、道中で落下したのであろう。

レンタルのバイクであるから、何かあったら弁償である。
実費で済めばよいが、手数料・迷惑料などといわれれば、いくらになるかわからない。
なにより、面倒な交渉ごとなど願い下げである。

最善の対策は落としたキーを見つけることだ。
さっそくバイクをチェンマイに向かって逆送させる。
反対車線を走るわけには行かないから、いったん戻って、同じ道を走りなおすのである。
が、しかし、全速でかっ飛ばしてきたこの道を、今度はゆっくり路面を見渡しながら走るとすると、どれだけ時間のロスになるか。
最低でも2時間以上、しかも絶対に見つかるという保障は無い。
そもそも、次女を探すのに何時間かかるかも未知数なわけで、時間の無駄はもっとも避けたいところだ。
というわけで、やはり、ここはキーの捜索は諦めることにする。
次女を無事見つけ出すことの方が、バイク屋とのトラブルを避けるよりも重要である。

もう一度Uターンして、再度バイクをランプーンへ向けたときのことである。
前方の路面に光るあの物体は??
驚いたことに、それはこのバイクのキーであった。

紛失に気がついたタイミング、一度は引き返しながらも、すぐに捜索をあきらめたタイミング、何かがもう少しズレていたら、こうも簡単には発見できなかっただろう。
引き換えした距離もわずか300メートルほどであった。

以後はエンジンをかけたらキーを抜き、エンジンを切るときにまた挿す、という対策をとる。
案の定、磨り減ってしまったキーは、ONの状態でも、簡単に抜け落ちる状態だったのである。

この件でいまだに気になっていることがひとつ。
キーが抜けやすくなっていることをバイク屋に言い忘れたのだが、その後、どこかの誰かが同じバイクを借りて、同じパニックに遭遇してしまったんじゃなかろうか?