訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2012-08-02

失業者たち

シーサケートには撤退したプランの事務所がある。
空き家になってるか、それとも新しい住人がいるか、単純に好奇心からちょっと立ち寄ってみることにした。
驚いたことに、プランの看板がまだ出ていて、中には職員もいる。
中に入ってみると顔なじみの職員もいたが、現在撤去のための作業中とのこと。
最後の最後で「今までお世話になりました」って伝えられたのは良かったけれど、やはり心配なのは彼らの行く末。
「これからどうするの」と尋ねると、「失業だからね」「田舎に帰るよ」などなど、連中は笑いながら言うけど、聞いてるこっちは笑えない。
日本など、援助する側の国の職員は、地球上に援助を必要とする地域がある限り失業の心配は無い。
しかし、活動国の現地採用職員にとって、「活動が実を結ぶ」ことが自らの失業に直結するのである。
一流大学を出て、英語も堪能で、外国人をパートナーに仕事をこなしてきた優秀な人材でも、その地域での活動が終了すれば、職場そのものが無くなるのだ。
もちろん、他の活動地域や本部への異動なども選択肢として無いわけではない。
家族がいなければ他国で活動を続けることもできるかもしれない。
それでも大半の職員は退職を選ばざるを得ないのである。
地域の生活水準を引き上げてきたことで自分が失業するという矛盾。
せめてプランで働いてきたことが今後の彼らの仕事にもプラスになってくれれば、と願わずにはいられない