訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-01-10

ホームステイ

タイで毎回お世話になっているのがコンケーン県のR家。
娘のエリーがプランの通訳ボランティアをしていたことから知り合って、以来、家族ぐるみの長い付き合いである。
中国系の裕福な両親は、なんとしても男の子が欲しかったのであろう、産みも産んだり、女ばかりの8人姉妹なのだ。
エリーはそのうちの6番目。姉5人に妹2人である。
ついでに言えば、2人いる孫も女の子ばかり(呪われているのか?)。

タイ人の常で押しつけがましいほど親切な一家は、毎年「ホテルはキャンセルして、うちに泊まりなさい」って勧めてくれる。
寝食がタダってことに、つい断りきれず、1度だけ泊めてもらったことがあった。
が、これが想像を絶する窮屈な環境になるとは夢にも思わなかった。

「私は妹の部屋へ行くから、あなたは私の部屋を使いなさい」
「え、客間じゃないの?」
冗談じゃない。いきなり女の子の私室にひとり放り込まれても、ベッドに腰掛けることさえできず、部屋の真ん中でボーっと突っ立ってるしかないのだ。
机や箪笥だって、引き出しひとつ開けてみるわけにいかないから、手持無沙汰で、することがない。

居間へ行こうかと部屋を出てみれば、風呂上りの妹が寝間着姿で歩いている後ろ姿に出くわし、あわててUターン、音を立てないように、そっとドアを閉める。
トイレ兼用のシャワー室に行けば、脱衣カゴに女性ものの下着が引っ掛かっているのを発見、またまたこっそり引き返す。
まるでコントのコソ泥である。
広い家の中で、もはやまったく身動きがとれない軟禁状態。

もちろん、放置されているわけではなく、頻繁に、扇風機だ、小型テレビだ、果物だ、飲みものだと差し入れにやってくるので、早々に寝てしまうことすらできないのだ。
(っていうか、今晩このベッドで寝ろってのかあ??)

というわけで、翌日、強く引き止めるのを振り払うようにしてホテルへと引っ越した。
ホテルがリラックスできる場所であることを、この日初めて知ったのである。