訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-02-07

人さらい

長女がまだ小学生だった頃のこと。
プランのスタッフが彼女に向かって、こう言った。「ねえ、日本に連れて行ってもらったら?」
もちろん冗談である。僕が調子に乗って、「そりゃいい、ぜひ行こう」って言い出したものだから、ビックリしたのは長女である。
母親の後ろに隠れるようにして必死にイヤイヤをしている。すぐに「冗談だから安心して」って言ったものの、面白かったので、以後、新しい子には必ず一回これをやることにしている。

ところが、四男に同じことをした時のことである。
すっかりその気になった彼は、日本について行くつもりで大はしゃぎ。
脅すつもりで、「お母さんと離れちゃうんだよ」と言ったら、なんと彼は母親に向かってバイバイをしてる。
我々が車に乗る時には当たり前のように一緒に乗り込んできた。
引きとめようとする母親にも知らん顔である。
ひょっとして、日本はひと山越えたあたりにあって、晩ごはんまでには帰ってこられるくらいに思っているのだろうか?
「いや、さっきのは冗談で、本当は日本へは連れていけないんだよ」って言うと、今度は涙をぼろぼろ流して大泣きしだした。
どうしても一緒に行くと駄々をこねて泣き止まない。

予想外の反応にはちょっとひるんでしまったが、初対面でそこまでなついてくれたことも嬉しくて、愛しくて、、、。
で、帰りの車中でも思い出しては、何度もひとりニヤついてしまっていた。

というわけで、どちらの反応も愉快なものだから、どうしてもこの意地悪が止められないのである。