訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-07-22

五日目・これも恒例、交通違反

金曜日の朝である。
土・日は学校が休みになるため、この一日で三校をまわらなければならない。
三校といっても簡単ではない。
まずコンケーンから100キロ以上あるボラブー、さらにそこから250キロ行ったタオンゴイ、また35キロ先のサコンナコンでようやく三校である。
走行距離だけでも400キロ近くある。
まずは朝の6時にホテルを出て、8時にボラブーの学校に到着する計画。
車はきのうエリーのお父さんから借りたフォードのピックアップトラックで、マニュアル車だが運転はしやすい。

コンケーンを出て国道を南下していると、前方で警官が手招きしている。
何のやましいことも無いので素直に停まって、「なんでしょうか?」
「スピード違反」「え~~っ!」

タイの道路は特に標識が無ければ90キロ制限である。
もちろんそれはよく知っていたので、ずっと90キロで走ってきたつもりである。
「ここは90キロ制限だ」
「知ってる、だからずっと90キロで走ってたよ」
「いや、スピード違反だ」
「そんなはずは無いって」
「レーダーで測ったから間違いは無い」
確かにメーターで90キロを維持していても、プラスマイナス数キロの揺れはあるはずだ。
しかし、瞬間的に制限速度を1,2キロ超えたくらいでは、日本の警察でもスピード違反とは言わないぞ。

じゃあ、そのレーダーの記録を見せろって言いたいところだが、ここからが難しい。
小遣い稼ぎの性悪警官が因縁つけてきたのなら、まず向こうは引き下がらない。
レーダーがでまかせだったとしても、かえって逆切れされる可能性がある。
たとえ半時間でも無駄にはできない事情もある。
悔しいがここはさっさと罰金を払うしかないのか。

しぶしぶ200バーツ(734円)を渡すと、これで「行ってよし」なのである。
免許証の確認もしないし、反則切符を切るような手続きもなし。

この「簡易反則金制度」は、軽微な違反に対して無駄な手間やコストをかけずに取り締まれること、警官も厳しい環境の下でやる気を出せること、などから容認するむきもある。
しかし、冤罪の温床となっていることも確かな事実なのである。
以後、90キロ制限の道は80キロで走るという自分ルールを新たに追加した。