訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2009-03-25

尋ね人(8日目)

午後からは、ホテルの近くの書店に行くほかは外出もせず、ひたすら体力の回復をはかる。
ただ、夜には人と会う約束が1件あった。
電話で連絡をとって、ホテルのロビーで午後7時に待ち合わせることにする。
相手は市内に住む24歳の女性で、ボーイフレンドのバイクに二人乗りしてやってきた。
用件は彼女の叔母さんの安否についてである。
叔母さんは千葉で働いていたのだが、東京に住む日本人と結婚するという電話を最後に、一切連絡が取れなくなって、家族で心配しているのだ。
とりあえず、一通りの情報を聞き取って、日本でトラブルがあることが判ったら連絡をよこすようにと言って別れた。

この件には後日談がある。
なかなか消息のつかめない叔母さんのことをmixiのコミュニティに書き込んでみたのだ。
身近に在日タイ人の知人が多そうな、大所帯のタイフリーク・コミュニティを選んでのこと。
ところが、それに対して、なぜか僕の書き込み自体を非難する意見が相次いだのである。
相手のプライバシーがどうのとか、これはチェーンメールだとか。
もちろん、そういったことに無頓着にやっているわけではない。
叔母さんのフルネームも細かな出身地も、当然伏せてあるし、一方、投稿者である僕の名前は、責任を持つという意味で実名である。
また、同様のコミュニティは他にもあったが、マルチポストになるため、書き込みは1ヶ所だけにしてある。
当然のことであるが、他所への転載なども要求してはいない。
つまり、いわゆるチェーンメールの要素など、微塵も無いのである。

どうも、最近はタイにハマる連中が増えた分、タイフリークの間にも典型的「ネットな日本人」が増えてきたように思う。
ようするに、他人のおせっかいを見るのが不快らしいのだ。
僕のタイ歴もかれこれ四半世紀になろうとしているわけで、その間、多くのタイ好きな先輩たちのお世話になってきた。
多くのタイ人はそもそも「大きなお世話」が大好きで、それを是とする人がタイ好き日本人にも多かった気がする。
第一、人捜しに使えないSNSになんて、何の価値があるのだろうか?
リピーターになりやすい国なので、現地情報をひけらかす知ったかぶりっ子にはそれだけで気持ちがいいのかもしれないが、なんとも勿体無い話である。

2009-03-11

プレゼント(8日目)

コンケーンでもう一泊することにしたため、この日は朝からホテルでのんびりしていた。
と、正午頃にドアをノックする音がして飛び起きた。
何事かと思ってドアを開けると、そこに立っていたのは紙の包みを持ったエリーの父親である。
昨日、宿泊するかもしれないホテル名を告げていたから、わざわざ訪ねて来てくれたらしい。
最近はもっぱらコサ・ホテルのほうを利用していたので、おそらく先にそちらを当たったはずである。
わざわざホテルをハシゴしてまで僕の部屋を突き止めたのは、用意してあったプレゼントを届けるためだったらしい。
携帯電話の番号を教えておけばよかったのだが、特に用事ができるとも思っていなかったし、それも後の祭り。
そもそも、娘の知り合いにプレゼントを届けに来る親父なんて、日本じゃ考えられない。

包みの中身はポロシャツが2着。
値札が付いたままってのは、いかにもタイらしいが、値段のほうは日本で僕が着ているものより相当高価である。
実は、深夜にチェックインしたり、早朝にチェックアウトしたりするため、通常料金ではホテルのランドリーサービスが使えないのである。
仕方が無いので、着替えはほとんど自分で手洗いしてきたが、アイロンがないため、帰国日に着るものが無く、どうしようかと思っていたところであった。
サイズもぴったりなので、これでパリっとした格好で飛行機に乗れる。

お父さん、さらに、外で食事でもと誘ってくれたのであるが、ようやく体力を取り戻してきたところでもあったし、ホテルのレストランで済ませてもらうことにした。
なにしろ、この人と食事すると決まって体調が悪くなって、過去に2度も吐いてしまっているのである。
このタイミングで無理すると、帰国が危うくなってしまう。