訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2009-11-28

星うらないキラキラ

年に一度の訪タイだから、日本にいるあいだもタイの知人の様子が気になる。
インターネットの発達はよくしたもので、例えば友人の名前やメールアドレスを検索すると、最近の動向を知ることができたりする。
先日、サコンナコンの学校の先生を検索したところ、ある掲示板がひっかかった。
掲示板での発言というのは、相手を身近に感じられるので、読むのも楽しい。

ところが、この掲示板、占い師が相談事を受け付けるためのものだったのである。
相談者は相談内容や自分のデータを掲示板に投稿、返事はメールで個別に届けられるのかもしれない。
そこには彼女と夫の生年月日が書かれていて、誕生日が一致しているので、本人に間違いない。
で、相談の内容であるが、間もなく出産予定日を迎える彼女が、予定日の前後数日のうちで「何日に出産すればよいか」を尋ねているのである。
まだまだ迷信深いタイ人であるから不思議ではないのだが、学校の先生がというのはショックだった。
これで、「何日が吉」と回答があれば、妊婦はそれを医者に伝え、医者は医者で、その日に産めるようにするのだろうか。
最も教養あるべき医者と教師が、怪しげな占い師の言に振り回される。
それも人の誕生という一大事において。
信心深いのは結構なことであるが、商業主義のオカルトと区別できるだけの分別は、ちゃんと持っていてほしいものである。
(ま、日本だって状況はたいして変わらないのだけど)

2009-11-21

さっきの手紙のご用事なぁに

長女がメールを寄こしてきた。
が、本文が空欄である。
ところが、件名欄には挨拶から始まるタイ語が延々と続いて、文字制限を越えたところで途切れている。
つまり、彼女は、件名欄にメール本文を書き込んで送信したのである。
どうしてそうなったかというと、ネットカフェで「hotmail」を使ったかららしい。
「hotmail」の送信画面は、「宛先」「件名」という見出しが表示されているが、本文を書き込む欄に「本文」という見出しは無い。
これは別にマイクロソフトのせいではなく、たいていのメールソフトも似たような仕様になっている。
ただ、本文を書き込むスペースが、なんとなくただの余白に見えてしまい、そこが書き込みスペースに思えないらしい。
(その点、グーグルの「Gmail」は本文欄にも枠がついていて、わかりやすいので非常によろしい)

しかたがないので、電話で、もう一度出しなおせといったら、また同じように長い件名のみのメールが来た。
完全に間違って憶えてしまったらしい。
パソコンの使い方について説明できるほどタイ語に堪能なわけではないので、どう言ったらいいかを在日タイ人に尋ねてみたところ、その人にも同様のメールが来たことがあるという。
まわりに聞いてみると、携帯電話のメールで同じことがあったとか、意外によくある事例らしい。

ともあれ、何度かやり取りしているうちに理解してもらえたらしく、以後、ちゃんと本文欄に書かれたメールが2回届いた。
やれやれと思っていたところ、それから何日もたたないうちに届いた2通のメールが、またしても長い「件名」・「本文」無し、に戻ってしまっている。
これは、タイ人が、件名を書かずにいきなり本文という、携帯電話のSMSに慣れてしまっているからかもしれない。
日本の父ちゃんとタイの娘は、いつまでたっても本題のやり取りが始まらないのであった。

2009-11-16

2001年雨中の旅

タイへ行きだした頃、自力での移動手段は、もっぱらバイクだった。
小回りが利いて、引き返すのも簡単、なにしろレンタル料が安いし、免許もいらない(少なくとも借りるときに提示を要求されない)。
ホンダのスーパー・カブにロングシートを乗せたような仕様でも排気量が100ccあるので、片道50キロ程度なら楽勝、街中でも駐車スペースを気にしないでよいので、初めての場所にはうってつけの乗り物なのである。
ただし、雨が降ったときは悲惨なことになる。

熱帯のスコールは突然やってきて、激しい雨を浴びせていく。
あっと思ったときには、プールにでも飛び込んだかのように、全身ずぶ濡れになってしまう。
これがほんの15分ほどで行ってしまうと、濃い青空が戻り、再び太陽が強烈に照りつけるのである。
そのまま走り始めると、たちまち服は乾いてしまう(ただし、靴は時間がかかる)。
ところが、しばらくすると次のスコールにぶつかったりする。
二度、三度と、走って乾燥、またずぶ濡れと繰り返していると、ヤワな日本人は簡単に体調を崩すことになる。

次女をシートの後ろに乗せて25キロほど離れた市街まで買い物に行ったときのこと。
何度も雨に降られながらも、無事に家まで帰り着き、やれやれと座り込んだ途端に異変が起きた。
あたまがボーッとして、鼻水が止まらないのである。
ようするに、風邪をひいてしまったわけ。
一緒にいた次女がなんともなかったのは、シートの前後で風の受け方が違ったからかもしれないが、不幸中の幸いであった。
母親に言われて、次女がさっそく風邪薬を手に入れてきてくれた。
近所で分けてもらったらしい。
有効成分が多くて日本の薬より良く効く、なんて噂を聞いていたタイの薬であるが、一服飲んだところで、母親からもう一つ飲んでおけと言われた。
病気が早く治るなら、副作用なんて気にしないというのが、この地のやりかたらしい。
用法・用量を守らずに怪しげな薬を飲むなんて、旅先で風邪で寝込むのと、どっちがアブナイんだか。

薬が効いたのか、それ以上悪化もせずに済んだものの、病気のリスクに直面したということで、以後は天候にも注意するようになった。
それから15年近く経つが、その間、ほとんどバイクは使っていない。
ただ、乾季に訪タイできるなら、一度オフロード・バイクで全ルートをまわってみたい、という気持ちは今でもある。

2009-11-08

穴、確か、見えない

ノートPCの電源を忘れてタイへ行ったときのこと。
チェンマイのパソコンショップでACアダプタを買った。
電圧やら極性、端子のサイズなどをしっかりと確かめて購入したのであるが、思わぬところに落とし穴が、、、。
いや、穴が無いのである、コンセントに差し込むプラグの先に。

ここの穴、差したプラグが簡単に抜けないよう、コンセント側の突起が引っかかるように作られているもの。
これがコストを下げるために手間を省いたものなのか、たまたま一品だけ製造ミスをしたものかは、わからない。
このちょっとした工夫がどれほど便利なものかは、そうでないものを使ったことがなければ理解できないであろう。
とにかく抜けるのである、コード自身の重みで!
ともあれ、タイを移動中はなんとかごまかしながら使ってきた。
大抵の家では床にPCを置き、壁から引っ張った延長コードから電源を取るので、なんとか使えるのである。
難儀なのは安ホテルの場合で、テレビの裏にしか使えるコンセントが無かったりして、抜けるたびにテレビの後ろを手探りすることになる。

こいつの問題点は穴だけではなかった。
帰国した時には、なんと、二本のピンのうち、片方が折れて取れてしまっている。
日本の家電製品だと、コンセントに差したプラグに横向きの力がかかっても、曲がることはあっても折れてしまうというのはよほどのことである。
このピンの厚みを計ったら日本製より若干薄く、材質も違うようで、残った1本で試したら、まったく曲がらずに、ポキッと折れた。
穴の件を別にしても、粗悪品であることには違いない。

それでも、ACアダプタからコンセントまでのコードは差し替えができるので、余っているコードと交換すれば、何の問題も無くなるわけである。
もともと持っていたACアダプタとで二つになれば、家と職場に置きっ放しにできるから使い勝手がよくなるはず、、、だった。
ところが、新しいコードと取り替えてしばらく使っているうちに、今度はなんと、ACアダプタの本体が火を噴いてしまった。
こんな製品を作っている中国が悪いのか、それを平気で売っているタイに問題があるのか。
まだまだ、この国での買い物には油断は禁物ということなのである。