訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2007-02-28

不思議なメール

タイからときどきメールが届く。
PCを持っている友人から来る場合や、情報授業の実習で学校のPCを使って送られる場合は問題がない。
が、2004年頃、長女から何度か届いたメールにはちょっと悩まされた。

もちろん彼女はPCを持ってはいない。
メールは町のネットカフェから送っているらしく、アドレスはマイクロソフトのホットメールになっている。
さっそく返事を書き、そのアドレスをメッセンジャーに登録した。

ある日、メッセンジャーにオンラインの表示が出たので、早速つないでみたのだが、先方は長女ではなかった。
「あなたはノーイのお友だち?」「いいえ」
「ノーイのことは知っていますか?」「知りません。それより、あなたは誰ですか?」
「????」「????」

いろいろ話しているうちになんとなく状況が推察された。
どうやらウチの長女は、ネットカフェにあるPCのブラウザに残っていたメールアドレスの履歴を利用して送信していたらしいのである。
確かに現地で使った経験から、ネットカフェのブラウザがアドレスの宝庫であることは知っていた。
なかにはパスワードもPCに残す人がいるのだろう。
あるいはユーザ名とパスワードが共通とか。

長女の身近に、裏ワザを伝授して得意になってるバカ野郎がいるのかもしれない。
が、これではこちらから送った返事は、みな他人のところに届いてしまうわけで、何のための電子メールだかわかったものじゃない。
本来のアドレス所有者がいい人で気持ちよく許してくれたからよかったものの、これって、不正アクセス禁止法違反じゃないのか??

ふた月ほどして、次に長女から届いたメールはまた別のアドレスになっていた。
差出人の名前も長女を連想させるものではない。
もちろん、怖くて返事など出せようはずもないのである。

2007-02-21

タイ航空

訪タイにはもっぱらタイ航空を利用している。
大阪(関西空港)からのフライトスケジュールがすごく便利だから。
深夜に日本を発って、早朝に現地着。
すると、到着日も丸一日現地で活動できる。
帰りも同様、タイ発が23時59分なんてのがあって、最終日もまた、丸一日タイで過ごしてから帰国である。
無理やり休みをとっての訪タイだけに、最初の日と最後の日は飛行機に乗っていただけ、なんて無駄遣いは許されない。
これで10泊11日の旅程でも現地で丸11日過ごせるのだ。

その上、出発前日は勤務を終えてから空港へ行けばよいし、帰国日もそのまま出勤できるので、まったく無駄がないのである。

タイ航空のメリットは、フライト・スケジュールだけではない。
大事なのは、搭乗した瞬間からタイの雰囲気が味わえること。
行き帰りの道中さえ無駄にしたくないので、フライトアテンダントがタイ人であることは重要な要素なのである。

2007-02-18

名刺

タイ語の名刺を持っている。
表は普通の日本語で、裏がタイ語版である。
といっても、日本の住所をタイ語で書くわけにはいかないので、一応、すべての表記はローマ字にしてある。
で、氏名だけはローマ字とタイ文字で併記してあるのだ。
正しい名前を憶えてもらわないことには、いつまでたっても「あの日本人」と呼ばれてしまうから。
チューレン(ニックネーム)を募るのも手だが、日本人の感覚でいえば、あだ名で呼ばれる年でもないし。

名刺のタイ文字部分は、画像データとして作ってある。
会社のロゴマークを印刷するようなつもりで印刷屋に渡せば簡単に作ってもらえる。

ただし、現役のプランのチャイルドには名刺を渡すことが禁止されているので、要注意。
パソコンとプリンタで1枚からでも名刺作成のできる時代であるから、連絡先を省いた「日本のお父さん 山田一郎」みたいなものを別に用意してもいいかもしれない。
住所の代わりには顔写真とか入れるのもいいかも。僕はしたくないけど。

ところで、この名刺、タイで使う以上に日本でウケる。
「何これ? 文字? どこの??」
初対面でも印象に残るし、そこからタイの話題に持ち込めれば、タイの宣伝マンとしては思うつぼなのである。

2007-02-14

タイの韓流

実は韓国のドラマや映画が大好きである。
タイで買ったビデオCDから入ったので、日本でのブームよりもやや早かった。
『冬のソナタ』上陸の際にはまわりに広めて回ってたほどで、先見の明が自慢なのだ。
ちなみに、DVDのボックスセットでもタイで買えば日本の定価の数分の1と安価である。
(通販も可。もっとも、字幕・音声とも日本語は無い)

コンケーンで夕食に誘われてエリーの家に行ったときのこと。
居間に大きなポスターが貼ってあった。「これ、誰だか知ってる?」
「韓国の俳優のクォン・サンウでしょ」
「妹が彼の大ファンなのよ」
「韓国ドラマについてだったら僕も負けないよ。日本のドラマはよく知らないけど」
「ははは、じゃ、あれが何かわかる?」
姉妹が見ているテレビでは、おりしもイム・ヒョンシク演じるトックおじさんが石仏の鼻をもいでいるところ。
マニアには物足りないくらいのサービス問題である。
「『デジャングム(宮廷女官チャングムの誓い)』だね。簡単、簡単」

食事中はもっぱら韓国ドラマの話題で盛り上がったのだが、この家もハンパではない。
ドラマのDVDがテレビの側で山積みになってるし、妹は現在韓国語を勉強中、母親は韓国料理を習いにいってるんだとか。
今一番行きたい国も韓国だという。
(うーん、日本のヨン様追っかけ隊には僕もちょっと引いちゃうんだけど、こちらでも状況は同じなんだね)

2007-02-07

人さらい

長女がまだ小学生だった頃のこと。
プランのスタッフが彼女に向かって、こう言った。「ねえ、日本に連れて行ってもらったら?」
もちろん冗談である。僕が調子に乗って、「そりゃいい、ぜひ行こう」って言い出したものだから、ビックリしたのは長女である。
母親の後ろに隠れるようにして必死にイヤイヤをしている。すぐに「冗談だから安心して」って言ったものの、面白かったので、以後、新しい子には必ず一回これをやることにしている。

ところが、四男に同じことをした時のことである。
すっかりその気になった彼は、日本について行くつもりで大はしゃぎ。
脅すつもりで、「お母さんと離れちゃうんだよ」と言ったら、なんと彼は母親に向かってバイバイをしてる。
我々が車に乗る時には当たり前のように一緒に乗り込んできた。
引きとめようとする母親にも知らん顔である。
ひょっとして、日本はひと山越えたあたりにあって、晩ごはんまでには帰ってこられるくらいに思っているのだろうか?
「いや、さっきのは冗談で、本当は日本へは連れていけないんだよ」って言うと、今度は涙をぼろぼろ流して大泣きしだした。
どうしても一緒に行くと駄々をこねて泣き止まない。

予想外の反応にはちょっとひるんでしまったが、初対面でそこまでなついてくれたことも嬉しくて、愛しくて、、、。
で、帰りの車中でも思い出しては、何度もひとりニヤついてしまっていた。

というわけで、どちらの反応も愉快なものだから、どうしてもこの意地悪が止められないのである。