訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2006-12-22

年越しクリスマス

タイには正月が3度ある、ってのはよく聞く話で、最も重要なのがタイ正月のソンクラーン、次に旧正月。
したがって、1月1日は一番軽い正月なのかもしれない。
日本なら年末年始は何もかも切り替わる重要な節目であるわけだが、タイだとどうもそうではないらしい。
で、どういうことが起きるかというと、年が明けてもクリスマスツリーが飾られていたりするのである。

日本では着物、門松、獅子舞の横にクリスマスツリーというのは絶対に許されないだろうが、ここではクリスマス以後、一週間くらいツリーが出ていても大した問題ではないようだ。
それにしても、空港ロビーのツリーくらいは何とかしてほしいと思う。
日本で正月を過ごしてから訪タイしたのに、空港で出迎えるのがクリスマスツリーというのはいかがなものか。

2006-12-17

タイの離婚率

最近は日本でも離婚率が上昇しているが、タイの離婚率は日本の半分以下で、世界的にも離婚の少ない国といえる。

ところがである。

ウチの長女は離婚している。
ウチの次女も離婚している。
そういえば、次女の母親も離婚していた。
三女の母親は失踪。
四女の母親は確か死別だったと思うが、とにかく片親ってのがやたらと多い。
っていうより、両親揃ってる家庭の方が少ないぞ。
本当にタイは離婚率が低いのか???

実はここに統計のトリックがある。
タイでは日本ほど戸籍が重要視されていない。
男女がくっつく場合、必ずしも入籍をおこなわないのである。
言ってみれば「同棲」。
で、それがいつまでも続く。
仮に別れることになっても、戸籍にキズはつかないのである。

ちなみに、次女の場合、結婚を前提として付き合っていた男が田舎に住むことを拒否したため、別れることになってしまった。
すでに妊娠していて、そのまま出産、実家に戻ってシングルマザーの道を選んだ。
これとて、「破談」ではあるが「離婚」ではないのだ。

長女と三女の場合は、一応ささやかながら結婚式を行っているのだが、これも実際に入籍したかどうかは定かではない。
その長女も子連れで「離婚した」と言ってはいるが、こういったわけで、統計に入っているかどうか怪しいものなのである。

かくして、敬虔な仏教国タイでは離婚率は極端に小さいという、国連の調査努力が水泡に帰すような結果が出てしまうのである。

2006-12-11

おともだちカード

タイではいろいろな人から突然の親切を受ける。
ありがとう、と言って済む程度ならよいが、受けた恩が大きすぎるとそれっきりサヨナラということに後ろめたさを覚えることがある。

もちろん、先方は自分の徳を積むことが習い性になっているだけで、こちらに見返りを期待しているわけではない。
それでも、次に訪タイしたとき、「あの時はお世話になりました」ってお土産を手に訪ねていくことで、こちらの気もおさまるし、先方もとても喜んでくれるのだ。
その中から、長い付き合いになる友人もできる。

というわけで、お礼参り(?)をスムーズにおこなうために考案したのが、「おともだちカード」である。

これは知り合った相手に名前を尋ねるとき、「よければこのカードに連絡先とかもよろしくっ」と言って渡すのである。

カードには名前、住所、電話番号、ニックネーム、生年月日、メールアドレスなどを書き込む欄を設けてあるが、個人情報云々に無頓着なタイ人は、みな喜んで書いてくれる。

で、たまってきたカードを整理していて驚いた。
これまでのカードの記入者がすべて女性ばかりで、オトコに書いてもらったものが1枚も無いのである。
まったく、タイでは不可解な現象がよく起きる。

2006-12-09

通訳の手配

プランの現地訪問に際して提出する「訪問メモ」には、通訳の要・不要を記入する欄がある。
通訳・要としておくと、現地事務所が通訳の手配をしておいてくれるわけである。
プランのスタッフは基本的に英語が堪能であるので、英語が得意な人は何の問題もない。
したがって、手配をお願いする場合、日本語の通訳ということになる。
ただし、これはあくまで外部の通訳を雇うことになるので、その実態はさまざまである。
現地在住の日本人、日本に留学したことのある地元の大学生などがアルバイトとして半日同行してくれるのだが、プロフェッショナルの通訳ではないので、いずれにしても高度な通訳は期待できない。
通訳者が現地人ならスポンサー側に、通訳者が日本人ならチャイルド側に多少のストレスが生じることになる。
(要するに、通訳が何言ってるかよくわからないという、、、)
ま、商取引に向かうわけではないので、大きな問題ではない。

なお、この通訳は有料で、料金はスポンサーの負担ということになっている。

通訳のメリットは、いろいろ質問ができるということのほかに、移動中の話し相手になってくれるということもある。
プランの運転手は英語も話せない場合が多いので、愛想がないわけではないのだが、無口にならざるを得ないのだ。

逆に、通訳を介するということでチャイルドやファミリーとの会話がキチンと向い合っての「会談」になってしまうというデメリットもある。
質問も、第三者が入るとよそいきの内容になりがちだ。
「学校は楽しいですか?」とは聞けても、「彼氏はいるのか?」とはなかなか聞けないし、本当の答えも返ってこない。

チャイルドが年少の場合、いっそ言葉はいらないと開き直って、肩車したり手をつないで近所を散歩、あるいは庭先でボールを蹴りあったりするほうが、打ち解けるには有効だったりする。

ということで、最初の訪問には通訳をお願いした方が安心ではあろうが、再訪の機会を得た場合には、必ずしもいなくてもいいかな、というのが体験からの感想である。

2006-12-07

最初のテキスト

始まりはタイのことなんて、何も知らなかった。
タイ語という言葉があることさえも。
で、最初のチャイルド(の母親)からという手紙を見てビックリ!

元来お調子者なので、「返事をタイ語で書いちゃえ」と思ってしまった。
当時はタイ語のテキストは皆無と言える状態で、書店で注文してやっと、2,3冊のタイ語本が手に入る程度だった。

あるというだけでありがたい状態だったのだが、とにかくこれが高いのである。
その上、対訳がただただ載っているだけでは、学習にならない。
使いたい文をしらみつぶしに探して、まる写しするのが精一杯なのである。

今では「タイ語」で検索すると数え切れないほどのテキストが見つかり、CDやDVD、パソコンソフトまで、初心者にもやさしく、かつ値段も安いという、非常にいい環境になってしまった。
あの頃もこんな教材があったらなあ、と思わないでもないのだが、ま、モノにならないってことでは一緒だろう。
だって、英語がそうだったから。