訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2009-09-27

いずこのスナック

プランの訪問を終えると、訪問アンケートなるものが送られてくる。
今年は、まだタイを訪問中に、プランからのアンケート依頼メールを受信した。
毎年まめに回答しているわけではないのだが、今回は指摘しておきたいことがあったので、このアンケートの回答を使わせてもらった。

実は、コミュニティ訪問を希望する者のために、プランは国別の訪問資料というものを用意している。
アンケートには、この資料についての意見も求められてあった。
で、暇つぶしにこの資料を読んでいたのであるが、内容がすでに古くなっていることに気がついた。
特に、現在使われなくなっているドンムアン空港を利用するという記述は、かえって混乱を招くだけである。
これはひと言、注意しておいたほうがいいかな、と思ったので、ついでに他の部分もチェックした。
旅の情報収集の方法として、タイの在日領事館や政府観光庁の電話番号が載っていたので、これも照合してみた。
すると、大阪の市内局番が古いままだった、というのはまだ良しとして、観光庁福岡事務所の電話番号が全く異なっているのである。
移転によって番号が変わった可能性もあるが、これでは資料としての役に立たない。
とりあえず、プランの資料に載っている番号が、生きているのかどうかを、ネットで検索してみることにした。
すると、件の番号は、あろうことか、福岡市内のスナックの電話番号だったのである。

プランの訪問資料はスポンサーにとって最低限必要な情報をまとめていて結構便利なものである。
が、さらなる情報を得ようとしてスポンサーが電話した先が、まったく無関係なお店だったというのでは笑えない。
これまで電話で問い合わせたスポンサーがいなかったのかもしれないが、ウェブ上で長年公開し続けてきたということは冷や汗ものである。
もちろん、アンケートを送付した直後に、訪問資料が一新されたことは言うまでもない。

2009-09-20

タクシー・ドライバー

空港で面会した次女を送ろうとしたときのこと。
タクシー乗り場へ行こうとしたのだが、うっかり階を間違えてしまった。
車寄せはあるものの、ここは正規のタクシー乗り場ではない。
すぐに気がついたのだが後の祭りで、タクシーの呼び込みが、ニコニコ顔で近づいてくる。
おそらく空港まで客を送ってきた無認可のタクシーが帰りの客を拾おうとしているのだろう。
車はすぐそこにあるわけで、本来のタクシー乗り場で順番待ちをするより、楽だし早い。
裏ワザとして意図的にこちらを使うタイ人もいると聞いている。
というわけで、ダメモトで料金を聞いてみた。
どうしてダメモトかというと、この手の運転手は十中八九、ボッタクリなのである。
案の定、バカヤローな値段を言ってきたので、思わずふき出してしまった。
もちろん交渉の余地はあるが、半値に負けさせたとしても、まだまだ法外なのだから話にならない。

個人的にはバンコクでタクシーを走らせている人たちには好意を持っているし、まじめに頑張っている運転手も多いということを知っている。
だから、ここで良心的な料金を示すか、メーターを使うと言えば、十分なチップをつけて次女を乗せてやるつもりだったのだ。
欲をだしすぎて、いい客を逃がしちゃったわけだ。

引き返してエスカレーターに乗ったところで次女が耳打ちしてきた。
「あの値段だと、ランプーンまで行けちゃうよね」
ランプーンは彼女の実家で、空港からだと670キロある。
「いやいや、日本までだって行けそうだったよ」
あの運転手が、次からは多少とも値引きして声をかけるくらいに学習能力があればいいのだが。

2009-09-09

コイに気づいて

とんでもないことをしてしまった。
先月、ここで子供たちのリストをつくって、五男六女だなんぞと書いてしまったが、なんと一人抜け落ちていた。
忘れられていたのは、昨年加わった女の子で、現在高校3年生のコイちゃん。
彼女が入って、五男七女が正解だったわけ。
今年初めて会った彼女は、せいぜい中学生、下手をすると小学生だと言われても信じたろうと思えるほど小柄で、とても18歳には見えなかった。
コイは「カラシン先生記念奨学金」の二人目の生徒になるのだが、学校の先生に選抜を依頼したところ、高校2年のときの彼女が選ばれたのである。
本来なら、中学校に入ったばかりの子を選んで欲しかったのであるが、よほど優秀なのだろうか、学校も残り1年とちょっとというところで奨学生になったわけだ。
ところが彼女、卒業後は大学進学を希望しているというのである。
現在、同奨学金の一人目である五女が大学に通っているわけで、このままだと大学生をふたりも抱えてしまうことになる。
本来、この奨学金は高校卒業までを想定したものであって、五女の大学の学費は特別サービスのオプションだったのである。
したがって、コイの卒業と同時に「カラシン先生記念奨学金」は自動的に三人目を受け入れることになっている。
果たして、この上、二人も大学に通わせることが可能なのであろうか?
もちろん、援助を卒業までで打ち切ることもできるのだが、コイも五女と同じ、超名門校・カセサート大を目指していると聞くと、つい「ガンバレ!」って言いたくなってしまうのである。
年収100万円増なんて言ってた自民党はコケてしまったが、ここは日本のとーちゃん、ますます身を粉にして頑張らなくっちゃ!

というわけで、正しい現在の家族構成は以下の通り。

長女 26歳 1983年 3月 1日 シーサケート
次女 25歳 1984年 2月 6日 サムットプラカーン
三女 23歳 1986年 7月 6日 チョンブリ
長男 22歳 1987年 1月11日 サコンナコン
四女 21歳 1988年 8月13日 クルンテープ
五女 20歳 1989年 3月12日 サコンナコン
六女 18歳 生年月日不詳 サコンナコン
次男 17歳 1991年 9月19日 マハサラカム
三男 16歳 1993年 2月16日 ノンカイ
七女 15歳 1993年10月24日 シーサケート
四男 13歳 1996年 8月24日 マハサラカム
五男 11歳 1997年 9月21日 コンケーン

2009-09-06

腐ってもタイ

タイの国内線で、機内食に手をつけずにいた人には、持ち帰り用の袋が配られる。
町のレストランでも、残った料理を持って帰れるようにスチロールトレイをくれたりする。
タイは、もともと夕食のおかずも屋台の大鍋から買って帰るくらい、テイクアウトの総本山である。
しかし、気温が年中30度を超える地域で、これらはどこまで安全なのであろうか?

コンケーンに着いて早々、空港から町へ向かう途中で日本食レストランへ連れて行かれたことがある。
ちょっと何かが違う「うどん」と、素人っぽい「寿司」を食べた後、当たり前のように、寿司を「お持ち帰り」にしてくれた。
が、店の表に小一時間停まっていた車の中は、サウナ顔負けの熱地獄である。
車の後部座席に置いて、さらに数時間、チェックインしたホテルの部屋に持ち込んだ寿司を口にするべきか否か。

カラシンの国道沿いのレストランで早めの昼食をとったときも、幼い娘が一人前を食べ切れなかったら、残した料理を店員が勝手にパックにしてくれた。
サコンナコンまでの道中、特に空腹も覚えず、結局これもホテルまで持ち込みである。

また、夕食の市場で、友人から生菓子を一抱え持たされたことなど、挙げていけばきりが無い。
保存環境にもよるわけだから、一律にいつまでなら大丈夫と言うわけにもいかないのだろうが、「賞味期限」などという他者からの保証が無いものを自分で判断するのは難しい。
といって、旅の途中の食あたりが非常にやっかいなのも確か。
(イチかバチか、食ってみるか? それともリスクはやはり避けるべきか?)
ご飯粒を残すことも悪と教えられて育った日本人は、テーブル上の食品パックをゴミ箱に入れるまでに、毎度、長い時間悩むことになるのである。

2009-09-01

スシ食いねェ!

次女と空港で食事をしたとき。
「何食べたい?」なんて聞きながらも、自分の入りたい店にさりげなく誘導。
待ち合わせ前に目をつけていた、ショーケースにケーキが並ぶ店である。
自分一人では注文しにくいものも、女の子がいれば、そちらに合わせたように見えるはず。
というわけで、さっそくケーキとアイスクリームを堂々と頼む。
「ほかに、もっと食べたいものがあったら、なんでも注文しなさい」
年に一度の逢瀬なので、たらふく食わせて帰したいという思いと、自分がケーキを食べたいことのダシに使ったという後ろめたさから、次女にメニューを渡して追加を促した。
次女がなにやら頼んでから、しばらくして運ばれてきたのは、なんと握り寿司のセット。
「こんなの食べるの?」
「だって、おいしいですよ」

最近はちょっとした町ならどこにでも寿司屋はあるし、小ぶりな握りを並べた屋台も見かける。
今、寿司はハンバーガーやピザに負けないくらい、タイに定着しているのである。
もとより、タイは新鮮な魚介類の産地であるし、値段も手頃である。
それにしても気になるのは、握りがいくつか並んでいる横にある、大きなワサビの山。
ひょっとすると寿司1個に匹敵する大きさである。
世界一辛いといわれるタイ料理も、香辛料はおもに唐辛子。
どうやら、ワサビのツーンが苦手なタイ人も多いようなのである。
ワサビが大丈夫な人は、その山から取り崩したワサビを好みの量だけあとづけして食べるらしい。
きっと、好きな人は半端でない量をつけるんじゃなかろうか。

次女はというと、このワサビにはまったく手をつけなかった。
口に入れる真似をしておどかすと、顔をしかめてイヤイヤをする。
寿司が好物だと言ってはみても、なんの、まだまだ半人前のビギナーである。