訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2006-09-27

入門タイ語会話失敗編

タイ語に限ったことではないが、最初に習うあいさつとして「こんにちは」と「さようなら」は一緒に覚える。
そして、「ありがとう」と「ごめんなさい」もまた、セットにして覚えるものなのである!
だから、、、、、
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訪タイ初期にチェンマイのゲストハウスに泊まった時のこと。
まず部屋を見せてくれと、ボーイについて2階の部屋へ入っていった。
バスルームをチェックしようとしたらドアが固い。
で、ちょっと力を入れたら勢いよく開いたのだが、中を覗き込むと、なんとトイレに腰かけた女の子がこっちを見てる。
「うわっ、ちゃっ、かっ!」 転がるようにして廊下まで飛び出してしまった。中にいたのが強盗でもあれほど慌てなかったろうと思う。

どうやら従業員が勝手に客室のトイレを使っていたということらしいが、目くじら立てて文句を言うほどのことではないのかも知れない、というか、文句を非常に言いにくいシチュエーションなのである。
ボーイはケラケラ笑ってるだけで、トラブルとは自覚していないみたいだし。
ここでキャンセルでもして彼女が上司に叱られてしまうというのも本意ではない、、、。
で、結局、『大したことは何もなかった』ということにして、その部屋に泊まることにしたのである。

フロントで宿泊の手続きを終えて戻ってみると、さっきの女の子が部屋の前の椅子にすわっている。
どうやら、この階の担当で、その部屋の前が彼女のホームポジションらしい(だから最寄りのトイレだったわけね)。
とすると、出入りするたびに彼女と顔を合わせることになるわけだし、何か頼んだりすることもあるかもしれない。
ずっと知らん顔するのも先方が落ち着かないだろうし、少なくともこちらが怒っていないことぐらいは伝えておいた方がよいだろうと考えた。
(ここはひとつ、こちらが悪かったということにしておこう、そうすれば彼女も少しは気が楽になるだろう)
(さりげなく一言だけ謝って、あとは何事もなかったように接しよう)
(よーし、、、謝るぞ!)

「あ、あの、さっきは、えーと、えーと、あの、どうもありがとうございました!」

2006-09-24

おすすめお土産(その1)

タイの子供たちを訪問する際、もっとも悩むのがお土産をどうするかということ。
日本らしい小物をと思っても、今やほとんどの玩具や生活雑貨はメイドイン東アジア、メイドイン東南アジアである。
唯一日本が世界に誇るアイテムとして携帯ゲーム機があるのだが、どんなに相手が喜ぶと分かっていても、これはご法度。
高価すぎるプレゼントはコミュニティの和を乱すとされているからだ。

で、登場するのが日本の子供向け雑誌である。
絵本をプレゼントというのは多くの方が実行されていると思う。
でも、何といっても日本の伝統文化「特別付録」に勝るものはない。

小学生の男の子には「テレビマガジン」か「てれびくん」、女の子には「りぼん」「なかよし」「ちゃお」。
もっと小さい子には「めばえ」「おともだち」などなど。
これらの雑誌はシール、ポスター、銀はがしといった小物から特大組立付録まで満載で、値段も450円前後と超お買い得なのである。
訪問予定が決まったら、数か月書店で吟味し、それぞれの子供に合った雑誌を見つけるのがなによりの楽しみだ。
最近はDVDが付録についたりすることもあるが、そんなのはパス。
お気に入りは仮面ライダーやウルトラマンの「なりきりセット」とよばれるもので、お面からスーツ、剣やガンの武器までそろっている。
多いときには1誌に3種類くらいのお面がつくので、近所の友達と分け合ったりもできる。
女の子向けの付録では、プチアクセサリーや組立小物入れ、鉛筆立てなどが選択のポイントになる。

まんが本誌の方であるが、もちろん日本語は読めないものの、反対からページを開くこととか、文字が縦書きであることなどが面白いらしい。
1年前に渡した「りぼん」が、どれほど繰り返し読まれたのであろうか、ページの四隅は擦り切れ、本自体は丸く膨らむほどになっているのを見たことがある。
読んでしまえばそれっきりだが、読めないからこそ、いつまでも飽きずに眺めていられるのかもしれない。

また、中学生の女の子向けには日本の芸能情報も満載のジュニア向けファッション雑誌がある。
こちらもプチアクセサリーとか、ビニールバッグがついていて、ちゃんと付録文化が継承されている。
「今年から『りぼん』より『ピチレモン』かな」といった感じで、子供たちの成長を実感したりもするのである。

2006-09-22

コンケーンのホテル

タイの東北部(イサーン)を訪れる際、拠点となるのはやはりコンケーンであろう。
コンケーンにはプランのタイ国統括事務所もあり、マハサラカム、カラシンなど近県への交通の便も良い。
鉄道、国道も通っているが、飛行機だと首都バンコクから片道約5400円(2006年9月現在)。
新しくなったばかりの空港も市街からそれほど離れていない。

ありがたいことに、コンケーンはホテルのグレードも幅広く、宿泊で悩まされることはない。
最高級ホテルはソフィテルで、1泊5700円くらいから。もちろん利用したことはない。
チャロエンタニプリンセスは3500円くらいから。タイ航空のマイルで一度だけ利用したことがある。
これら高級ホテルでゆっくりするのも良いが、ほとんど外出していて、夜寝るだけではちょっともったいない。
というわけでもっぱら利用するのがそれらに次ぐコサホテル。こちらは1泊3000円程度から。

ちょっと格は落ちるが、以前常宿としていたコンケーンホテルは結構おすすめである。1泊2700円くらいから。
近くにそこそこ大きな書店があるのもお気に入りの理由であるが、上記高級ホテルより駐車場が利用しやすいのがありがたい。
このクラス以上なら、普通の日本人が宿泊して不満を持つことは無いと思う(たぶん)。
もちろん、節約しようと思えば、下は際限なく安宿があるのがここタイなのであるが、バックパッカーのまねごとみたいなことをするのは最初の数年で飽きてしまった。

上記料金の目安はいずれも予約サイト経由によるもので、多くの場合、直接予約するよりはかなり安い。
ところが、地元の知人に予約を依頼すると、なにやら職権でさらに安い特別価格になるというのである。
そこで最近は、最初の1泊をネット予約しておき、延泊分は知人に依頼することにしている。
なぜ最初の1泊分だけ自分で予約するかというと、内緒で現地入りしてから先方に電話をして、
「どこからかけてると思う? 実は今コンケーンに来ているんだよ~ん!」
ってビックリさせるのが楽しみだからなのである。

2006-09-17

日本語の手紙

2003年、サムサコンで働いていた次女に、「年末にタイへ行くけど、仕事を2~3日休めないか?」って手紙を書いた。
往復の旅費を出してやるからランプーンの実家に帰省したらどうか、日程が合えば飛行機で一緒に帰ろう、というわけ。
残念ながら休暇はタイ正月まで取れないとのことだったが、驚いたのはその返事が日本語で来たこと。
漢字無しで読みにくい、というより、一部読めないところもある手紙だったが、かなりの力作である。
参考書のまる写しでないことは、その間違え方からわかる。

で、訪タイ時に彼女のアパートで尋ねてみた。
「あの手紙、どうやって書いたの?」
「会社の友達に教わって書きました。その人は日本で働いていたことがあります」
なるほど、「恋しい」なんて日本人でも使わない日本語に面食らったが、ホステスさんから常連さんへの業務用ラブレターだと思えば納得の文面なのである。

2006-09-08

名前を変える

タイではニックネームが通り名となるので、友人同士でも本名は知らないということが多いらしい。
そのせいで本名に愛着を持たないのだろうか、わりと簡単に改名してしまうのである。
ウチの子では長女が数年前に改名したが、本人が何も言わないので、しばらくは手紙の差出人名を見ては首をかしげていたものだ。
以下は同じく改名経験のある友人との会話。

「どうして名前を変えたの?」
「前の名前は運勢が悪いらしいから」
「どんなふうに悪いの?」
「さあ、よく知らない。占ってもらったら、そういうことになって。姉の一人はもう名前を4回変えたのよ。あれ、3回だったっけ?」

どうやら、占い師に言われただけで、さっさと従ってしまうらしいのだ。

「迷信だよ、そんなの」
「じゃ、あなたは占星術を信じてないの?」
「はっ、非科学的な! 信じるどころか、僕の仕事からすれば、むしろ敵(かたき)だね」
「それでは手相も信じていない?」
「もちろん、信じません」
「それなら、UFOは? アメリカ人は大多数が信じてるよ。それも信じないって?」
「UFOなんてテレビや出版社のでっち上げだよ」
「オー!、それではあなたは我々がどこから来て、なぜここにいるのか、科学ですべてが説明できるというのですね!」
(な、何を言い出すんだ、コイツは、、、??)

要するにタイ人は神秘的なことが大好きなんだということ。
こんなこと言ってるのが国立大学でセンセイやってんだから、不安でしょうがない。

ちなみに彼女は「Suda-porn」から「Panut-porn」に変えたのだが、どう考えても、変えるんだったら「porn」のほうじゃないのか?

2006-09-07

つかみは1バーツ

チェンマイからコラートまで長距離バスで13時間の長旅をしたことがある。
出発時に同席したのがおそらく帰省目的の女子大生。
隣が怪しいオヤジだと長時間落ち着かないだろうなと気の毒に思ったものだが、長距離バスは指定席なので仕方がない。
ここは安心感を抱かせることが親切というものだと決意して、彼女に話しかけてみた。
「ちょっとすみません。教えていただけますか?」
「なんでしょうか」
ここで財布を取り出して、
「これは5バーツですよね、でも、こっちがいくらのコインなのかわからないんです」
「ああ、これは1バーツです。古いコインです。だからタイ数字しかないんですよ」
「そうですか。ありがとうございます」
これでこちらが外国人、しかもタイに慣れていないということを知った彼女は、自分が教える側になったことで安心したらしく、以後、いろいろ話しかけてくれるようになった。
「学生ですか?」
「いやいや、とんでもない。そんなに若くはないです」
「仕事で?」「う~ん、ま、観光ですね」
「次にバスが休憩所に立ち寄ったとき、バスのチケットで食事ができます。忘れずに持って降りてください」
「それは知りませんでした。ありがとう」

で、休憩所の食堂に入ったときのこと。
先にテーブルに座っていた彼女はしきりにキョロキョロしている。
(誰か探しているのかな)と後ろからしばらく見ていて気がついた。
彼女は不慣れな日本人がちゃんと食事にありつけたか、心配して様子を見ていたのだ。
僕が困っていたら声をかけてくれるつもりだったのだろう。
こういうさりげなく優しいタイ人に会うたび、またこの国が好きになっていく。

(*)左が5バーツ、右が旧1バーツで、こちらがやや大きい。もちろん「の」の字のようなのがタイ数字の「1」であることは当時も知っていた。

2006-09-03

同じ日に別の訪問者がいたら

プランの訪問はホテルへの送迎までしてくれて、至れり尽くせりだが、チャイルド宅への宿泊などは禁止。
したがって、最長で午前9時から午後5時までの8時間が持ち時間のすべてとなる。
ホテルのある街中からコミュニティのある農村部まではだいたい片道1時間以上かかるが、途中現地事務所へ立ち寄ったりもするので、2時間くらい必要か。
とすると、チャイルド宅に滞在するのは正味4時間強ということになる。
これでも近所の散策、学校訪問、昼食などとって、十分な余裕がある。
問題は、同日・同地域の訪問者がほかにもあって、同行することになった場合だ。
プランのスタッフは1台の車で順番にチャイルド宅をまわることになる。
少なくともマイ・チャイルド宅の滞在時間は、移動も考えると半分以下になる計算だ。

実は過去に一度だけ、同行者のいたことがある。
頻繁に訪問しているこちらにしてみれば、他のスポンサーと話ができたことはむしろ喜ばしいことだったのだが、もしこれがアフリカや南米で、後にも先にもこれっきりという訪問なのだとしたら、マイ・チャイルドとの交流時間が半分になるというのは結構痛いかも。
もちろん、昼食はどちらか一方でのみということになるし、もし、同行者が飛行機の都合で3時までに空港へ帰らなければならない、なんて言ったら、こちらもそれに合わせる必要がある(僕の場合そうだった)。

というわけで、同行者がいた場合は物理的にはデメリットが多いわけだが、かといって拒否することもできないわけで、遠い異国の地に同じくチャイルドを持つ人と出会ったことも貴重な体験と考えるしかないのだろう。
初めての訪問なら、同志の存在は心強いかもしれないし、移動中にスポンサー間の情報交換が盛り上がれば、むしろ車中で無為に過ごす時間が無くなるともいえる。
もっとも、これが言葉の通じない欧米人だったりすると、それはもう邪魔者以外のなんでもないのだが、、、。

(注:上記は実体験に基づくもので、国・地域によって状況は異なります)