訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2008-11-30

クラス写真(6日目)

ノンカイの三男の家を出て、すぐさまウドンのチャエー宅へ向かう。
食事をする約束だから、あまり待たせては申し訳ない。
チャエーは4年ぶりだと思うが、昔のまんま、化粧っ気も無しのジーンズ姿で出迎えてくれた。
32歳独身、どうやら今年も男には縁が無かったようである。
先日辞めたばかりの軍隊には男ばっかりだったろうにと言うと、数は多くても付き合う対象になるようなのはいなかったとの事。
困ったものである。

実は今回、ちょっとした悪戯を用意してあった。
ネット上で彼女の学生時代のクラス写真を入手してあって、さりげなくこれを見せたのである。
当然、「えー、なんでぇ?恥ずかしい!キャー!!」という反応を期待してである。
ところが彼女、そんな写真が出てきたことには驚いたものの、恥ずかしがるどころか嬉しそうに説明を始めるのである。

クラスメイト一人ひとりの能力や現在の職業、自分がどれほど彼らを評価しているかを嬉しそうに話す。
医者になったり、通訳など海外で活躍したりする友人たちが自慢らしい。
「私だけが置いてきぼり」と話すチャエーにしてからが、まもなく自分の会社を立ち上げるために準備をしているところであって、やはりタイ・エリートの一人なのである。
今は起業のために忙しくしているようではあるが、さまざまなボランティアにも積極的で、趣味も多く、何より嫌いなことが無駄に時間を過ごすことなのだそうだ。
(この調子だと、来年もきっと独身のままなんだろうな)
事業の成功を祈りつつも、一抹の不安を覚える日本の兄ちゃんなのであった。

2008-11-26

三男、奨学金延長(仮)決定(6日目)

三男の家は学校からさほど遠くないところにあった。
高床式ではなく、広いが1部屋しかない家だった。
家に居たのは祖母らしい人と小さな蚊帳の中で寝ている赤ん坊だけである。
三男の甥か姪だと思う。
昨年会いそびれたので、三男とは初対面になるわけだが、今年は何としても会っておかなければならなかった。
というのは、彼も今は中学3年生なので、来春には卒業してしまうわけである。
もし高校進学の意思があるのなら支援を延長する用意があるということを、中学卒業前に言っておかなければならない。
筆談で何とか聞き出したところによると、本人は高校進学を希望しているらしい。
もし、親も進学を望むのであれば、これまでと同額の奨学金を3年間延長して提供すると伝える。
ただし、その額は決して十分なものではないので、それによって諦めていた進学が可能になる、といったものではない。
あくまでも進学は本人の意思と、それ以上に親の経済力によって決まってしまうわけで、僕の奨学金などは、せいぜい無いよりはマシといった程度である。
来年、実際に進学しているかどうかは、来てみなければわからない。

2008-11-18

ウドン経由ノンカイへ(6日目)

子供たちの一番多いサコンナコンも昨日一日で無事にまわり終えて、だいぶ気が楽になっていた。
日曜日のこの日は、ノンカイの三男に会うだけである。
早朝サコンナコンを出て、国道を順調に走り、予定通りの時刻に手前のウドンタニ県に着く。
ちょうどショッピングセンターBigCが開店する直前だったので、駐車場に車を停めて友人のチャーイに電話をかけた。
彼女の家は、このBigCのすぐ裏にあるのだが、今会いに行くと、必ずノンカイまで同行すると言ってくれるはずで、それが申し訳ないから、現在地を告げずにおくことにした。
もう4年くらい会っていないはずで、本当は、家のすぐ前まで来てるって言いたいけれども、ここはガマン。
午後1時頃までにウドンに戻ってきてもう一度連絡、一緒に食事をするという約束をして電話を切った。

BigCを出たら、国道2号線をノンカイ方面へ向けて北上。
ノンカイといっても、ほとんどウドンとの県境に近いので、BigCからの距離は40キロ強である。
昨年はGPSが故障したためにルートの記録ができていなかったが、比較的分かりやすい道だったので、迷わず目的の学校まで行くことができた。
学校の門は閉まっていて、中に人のいる気配も無い。
少し早く着いたので、しばらくあたりを散策してみた。
小雨がパラつく天気ではあったが、広い水田と農作業をする人々、水溜りに肩まで浸かっている牛など、どこまでものどかな農村の風景が続く。
カメラを取り出して何枚か写真を撮った。
景勝地でも名所・旧跡でもないが、一番好きなイサーンの風情である。
雨季でホコリっぽくないのも良い。
(牛が突然立ち上がって、ガン飛ばしてきたのは怖かったが)

校門横の木陰にしゃがんで文庫本を読み始めたところへ、時間通りに自転車に乗った三男がやってきた。

2008-11-09

サコンナコンの夜(5日目)

五女を誘って夕食に行くことになった。
もちろん、彼女の友人も一緒である。
大学の構内にも食事をするところはあるのだろうが、ここは当然、外食である。
ところが、大学周辺にはそれらしき店が無い。
で、結局、ある程度市街まで戻ってしまい、わかりやすいということからテスコ・ロータスへ入った。
ここは全国に展開している大型ショッピングセンターで、ドーナツ、ピザ、タイスキなどの店が必ず入っているため、初めての店舗でも迷うことがない。
彼女等の希望で、結局タイスキの店「MK」で食事をすることにした。
タイスキは一人では注文しにくいので、こうして何人か一緒でなければ食べることがない。
食材の注文もおまかせだが、鍋のめんどうも、皿への取り分けも、二人でかいがいしくやってくれる。
考えてみれば、食事らしい食事は昨夜長女と食べて以来、ほぼ24時間ぶりなのである。

満腹で気持ちよくなったところで書籍売り場に移動、二人にそれぞれ一冊ずつ本を買ってやる。
名残惜しくはあったが、寮生活の女の子たちをあまり遅くまで連れ歩くわけにもいかない。
再び大学まで送って行って、ホテルへ帰った。
結局、市街と大学を3往復したわけで、食事の時間まで削って行動しているわりに無駄が多い。
今後は、もっと効率よく動いて、滞在時間を有効に利用しようと固く決心する。
が、ホテルのインターネット用のPCがゲーム目的の子供に占拠されていて、終わるのをボーっと待っていたら、何もしないで2時間が過ぎてしまった。
悔しいが、ムリ・ムラ・ムダは天賦の才であるようだ。