訪チャイ雑記

プラン・インターナショナルなどの援助事業を通じて知り合ったタイの子供たちを訪ね歩くチャイルド訪問旅行。その際の出来事などを書きなぐった、あくまで個人的な覚え書きです。万一、同志の参考にでもなれば嬉しいですが、責任はとれません。 質問等もコメントでご遠慮なくどうぞ。

2006-10-27

禁酒キャンペーン「飲むなら買うな」

タイの健康キャンペーンは徹底したもので、タバコについても相当なものであったが、いよいよ酒類の広告も全面禁止となるようである。

実は前回の訪タイ時、知人のお宅を訪ねるにあたり、缶ビールをひと箱持参しようと大型ショッピングセンターに立ち寄った。

店内では酒類だけ別カウンターになっている。
ケースを抱えてカウンターに行ったが、会計をしてくれない。
聞けば午後5時までは酒類の販売ができないのだそうだ。
「あと10分待ってくれ」
ルーズなタイ人にしては細かいことを言うと思ったが、午後5時までレジの電源が入らないというのだから仕方がない。

で、店内を一回りして戻ってきたら5時5分。
もういいか、と言うと、レジがまだ使えないから、もうちょっと待ってくれとのこと。
やっぱりルーズな国民性である。

販売時間を制限しても消費量が減るものではないだろうと思うのだが、実際には効果がでているらしい。
さらに広告が禁止され、税率も引き上げられることで、酒離れが進みそうだ。
少なくとも、若年層の飲酒が減るのなら悪い話ではない、というのは飲まない人間だから言えるのであって、酒飲みやメーカーにとっては難儀な話である。

僕はアルコール類は飲まないので、タイではもっぱらコーラで通している。
とにかく暑さが半端ではない国のこと、ここらで冷たいビールを一杯と思っても、日本のように自動販売機で売られていたりはしない。
ビール党はよくよく注意して訪れるべきである。

2006-10-23

ただいま孫2人

つい先日、たまたま見ていたテレビ番組の中で歌手の堀内孝雄さんも「孫のかわいさは異常」だとおっしゃってた。

これまで、チャイルドたちが何人増えようとも、彼らに対する気持ちに分け隔てはなかった。
年少でも年長でも、男の子でも女の子でも、活発でもおとなしくても、デブでもチビでも、同じようにかわいくて、順位をつけるようなことはできない。
ところが、「孫」となるとまったく別格。
「子」より確かに格上なのだ。
子供たちとは、別れ際に「じゃ、また来年のいつかね」と言って簡単に別れられる。
だのになぜか、その次の世代とは、離れたくない、後ろ髪を引かれる、といった気持ちになるのである。
それこそもう、眼のなかに入れて持って帰ろうかと思うくらいなものである。

堀内さんは、「責任が無いからでしょうかね」とおっしゃる。
確かにそうかも、と思ったりもしたが、考えてみれば、僕の場合、一代目も二代目も、責任が無いっちゃ、もともと全然無いのだった。

おそらくもっと原初の、本能に近いあたりに原因があるのだろう。
これまでは自分がどんどん年を取っていくことが嫌だった。
できないことが増えていく、いつの日か自分の死ぬ日に近づいていく、ということが年々実感されていくから。
ところが、血の繋がりは無いものの、「孫」と呼べる存在ができた瞬間に自分が変わった。
たとえ明日死ぬことになったとしても(もちろん避けたいが)、以前よりは現世に未練を残さずにすみそうである。
おそらく、種を維持したいという本能は、自分の子が、さらにその子を残したときに初めて、自分の届かない未来を手にしたと実感し、完結するのであろう。
その証である孫の存在は、自己の存在理由そのものなわけで、何ものにも替え難いものであるわけだ。
そのような気持ちになることに血縁はまったく必要なかった、ということが嬉しくもあるのだが、残念なのは、この異国の孫たちは1年に1回、半日を一緒に過ごすことしかできないことである。
1歳半の孫に次回会うときは2歳半になっている。
その間の成長や言動を一切見ることのできないつらさ。
嫁いだ女性は子供を連れての帰省が最大の親孝行になる、という所以である。

写真は長女の息子、初孫ナット

2006-10-13

訪チャイ準備期間

プランの訪問は事前にスケジュールを決めた上で申し込むことになる。
「訪問メモ」というものを取り寄せて、必要事項を記入したものを日本事務局に提出することになっている。

この「訪問メモ」には出入国の便名や滞在ホテル(職員との待ち合わせ場所)、パスポート番号なども書き込む必要があるので、提出までにそれらも決定しておかなければならない。
それらを同時におこなうことはなかなかややこしいので、もし、パスポートがなければ、最初にこれを済ませておかねばならない。
そして、パスポートが手元に来てから、航空券を手配することになる。航空券の後からパスポート、というのは手続きが面倒になる可能性が高い。
飛行機が決まったら、現地での宿泊も決められる。ひっくるめて業者任せにしてもよいが、さほど手間ではないのでネット予約などを使って自分ですればよい。

こうして、パスポート>航空券>ホテル、と確定したところでプランに「訪問メモ」提出である。
これが出発の6週間前までに、ということなので、準備をスタートするのは10週前くらい、できれば3か月前には取りかかっていたほうがよいと思う。
もちろん、<一部未定>で申し込むことも可能ではあるが、途中で何度もやり取りをするのは効率が悪い。

訪問の時期としては、タイは秋から冬にかけてがしのぎやすく、雨も少ないので適している。
が、チャイルド訪問が目的なら、天候はあまり気にしなくても良いかもしれない。
雨季の方が何かと割安につくからである。

なお、訪問日は第2希望まで書くことになっているので、現地での滞在は前後に余裕を持っておいた方がよい。
個人的な経験では、十数回の訪問で1回だけ第2希望になったことがある。

さて、3か月も前から計画していけば、実際の訪問までには1回くらいは手紙が出せるはず。
「訪ねていくからね」という手紙がどれほどチャイルドを喜ばせることか。
もっとも、「訪問メモ」を提出してしまったら、速攻でファミリーにも連絡が行ってしまうので、自分の手紙で先に知らせたい場合は、特に急いで送ること。

*訪問メモはプランのホームページでダウンロードできるほか、記入例も見ることができます。

2006-10-09

訪チャイ秘密兵器(その3)

(その1)で紹介したタイ語辞書「PDicThai」は、本来パソコン用として愛用していたもの。
通常の使い方としては、USBコネクタにタイ語キーボードをつなぎ、1画面2キーボードの並列仕様とする。
追加のタイ語キーボードは現地で900円程度から。

そして、ノートパソコンの画面の上3分の2にワープロソフト、下3分の1に「PDicThai」とタイ語のスクリーンキーボードを起動する。
これで簡易翻訳機ができあがるというわけ。

次に使い方。
タイ語キーボードのほうを相手に渡し、ワープロ画面にタイ語で何でも書いてもらう。
分からない単語があれば、それをクリックすれば「PDicThai」がポンと意味を表示してくれる。
こちらの返事は「PDicThai」に日本語を打ち込み、表示されたタイ語をワープロ画面に次々と転写していけばよい。
こうやって、交互に文章を打ち込んで筆談をするわけである。
学校によってはタイ文タイプ、英文タイプといった科目があるので、入力は速い。

以前は紙の辞書で指さし会話をしていたのだが、立派な辞書ほど時間がかかるという欠点があった。
このソフトのおかげで会話速度は一気に高まった。
作者の方々にはいくら感謝しても足りないくらい。

この方法の副次的なメリットとして、会話の内容をそのまま保存できるということがある。
ワープロ文書として保存しておくことで、帰国後も正確に思い出すことができるのだ。
会話の内容が文書で残るということは、写真やビデオに負けない記録なのである。

ただし、相手が年配だと問題がある。キーボードが使えないのだ。
その場合、紙に手書きしてもらい、それをこちらが代わりに打ち込んでいく。
さすがにここまで手間をかけるとこちらも面倒くさい。
村の親父たちより、もっぱら近所の女学生を話し相手に選ぶのは、こういった事情からなのである。

追記
PDIC(パーソナルディクショナリー)はインドネシア語、スペイン語などの辞書もあります。

2006-10-06

シートベルトを締めましょう

タイは日本と同じように車は左側通行。
レンタカーを借りても違和感無く走ることができるが、大きく異なる点もあるので、十分な注意は必要である。

タイでは、まず、二輪に甘い。
ナンバープレートが付いていないバイクにノーヘルで3人乗り、4人乗りして道路の右側を逆走している。
これが暴走族なんかではなく、よく見かける家族でお出かけのシーンなのである。

また、大量輸送にも甘い。
トラックの荷台にあふれるほどの人間が乗っているのも当たり前、走行中の通学バスの屋根の上を生徒が歩いていたりもする。

そもそも車検制度がないので、ライトが切れていようが、メーターが動くまいが、ドアが無かろうが、平気で走らせている。

こんな国なのに、なぜか乗用車のシートベルト着用にだけは、妙にうるさいのである。
実は、シートベルト未着用ということで、捕まったことがある。
その場で少額の罰金だか賄賂だかを払っておしまいなのだが、なぜ、シートベルトだけこうもうるさく取り締まるのか、不思議でしょうがない。
事故が起きたら、荷台の人間の方が危ないだろうに。

日本人をターゲットにしたニセ警官だろう、なんてことを掲示板で見たりもするが、実際、シートベルトの検問だけは多いのである。
当然警官はホンモノ。もっとも、渡した金がちゃんと国庫に入っているかどうかは保証の限りではないが。

もちろん、ちゃんとベルトを締めて走ればよいことなのだが、そうはいかない事情もあるのだ。
実は、借りた車のベルトが壊れていて、引き出したベルトを固定できなかったのである。
ベルトが壊れているから、なんて言い訳は弱みを増やしてしまうだけ。ここは、さっさと金を払ってしまうに限る。

で、引き出したベルトの金具をさりげなく助手席の者に掴ませて、ベルトを締めているフリをしてその場を離れていくのであった。

2006-10-01

国際運転免許証のサイン

タイ国内を10県前後走り抜けるため、運転免許証は必須である。
国際運転免許証は有効期間が1年限りなので、訪タイのたびに取得しなければならない。
この免許証には署名欄があって、受け取りの際に警察署窓口でサインしなければならないことになっている。
ところが、そのサインはローマ字でなければならないと言われて、毎年窓口で押し問答となっていた。

日本でつくったクレジットカード、銀行カードは、日本で使うことが前提だから署名といえば漢字である。
パスポートに署名するときには、漢字でもローマ字でもOKとのことなので、クレジットカードに合わせて漢字の署名をした。
外国への入国カードは、当然パスポートに合わせる必要があるわけで漢字の署名をすることになる。
サインというもの、そもそも何種類もあるというのが不自然なわけで、漢字なら漢字で統一することになるわけだ。

以後、海外でのホテルの宿泊カードのサインも漢字、レンタカーもショッピングもみな漢字、病院に行ってもサインは漢字でしてきた。
それで、「漢字の署名は困ります」なんて言われたことは無いし、そもそもサインって「読めないと困る」というものではないはず。
したがって、ローマ字のサインなんてしたことが無い、というより、そもそも「持っていない」のである。

「ほかではしたこともないサインを免許証にしたって、かえって通用しないでしょう。パスポートと照合されたときどうするの?」
納得する説明を、と要求しても、「サインはローマ字ですることに決まっています」、というのが岡山県警の言い分。
どうやら、住所等必要事項の記入をローマ字でタイプすることになっている規定を署名にまで拡大解釈しているようなのである。
「シグネチュアとは名前を英語表記したもの」と思い込んでいる節すらある。

それは違うでしょ、と毎回言っても聞く耳持たない警察署なのであったが、最近は面倒くさくなったのか、「自己責任で勝手にさせろ」という指示が出てしまった。
はやりの「自己責任」という言葉、お上にとってはなんとも便利な呪文のようで、これもまた使い方を間違ってると思うけど、こっちに都合がいいから、ま、いいや。
というわけで、ここ2回ほどは漢字で署名することができたのである。

実は国際免許証の表紙には県公安委員長の署名も印刷されているのだが、まあまあ、これが立派なローマ字署名で、中学で習うペンマンシップのお手本のような書体。
本来、固有の書体で他者と識別するのが目的のはずなのに、これはこれで、ちょっと恥ずかしくないかい?